アメリカのデトロイトの病院からの研究報告です。
心肺持久力が高い人ほど新型コロナウィルスによる入院リスクが低いということが示されました!👉出典:”ランナーズonline”
新型コロナウィルスが流行してから2年以上経過した今となっては、新型コロナウィルスとの共存も考えていかなければいけなくなってきましたね。
そんな中、新型コロナウィルスをいつ発症してもおかしくない状況へと変わりつつある中、感染症を発症しても極力重症化は避けたいところ。
そんな重症化を避けるための方法としてワクチン接種だけが唯一の方法ではなくなってきているということですね。もちろんお薬の開発も進んできていますが、セルフケアとして自分でできる予防策としての対処法がもう一つ明らかになったということになります。
この研究からわかることを私なりに解説していきたいと思います。
【心肺持久力が高いということは最大酸素摂取量が高い】
心肺持久力が低い人は高い人と比較しても3~4倍死亡率が高くなることがわかっています。
心肺持久力とは、全身持久力とも言いますが、長く体を動かす能力でもあると言えます。そして、心肺持久力が高いということは酸素を摂取して利用する酸素利用能が高いということ。
それは、脂肪をエネルギーとして燃焼しやすい体とも言えます。なので、この心肺持久力を高めることは、生活習慣病の予防としても期待できます。
そんな心肺持久力が高い人はコロナの重症化リスクも低いということですね。
【心肺機能と免疫機能の関係】
心肺機能を高める運動というと、やはり有酸素性運動です。この有酸素性運動も個々の体力レベルに合わせウォーキングやジョギング、またはランニングなどで高めることができます。そして大事なのは実施する上での運動強度になります。
運動は正しく行うと免疫機能を高めることができます。
しかし、その運動は運動強度が低すぎても、高すぎても免疫機能を高めることができません。それどころか、運動強度が高すぎた場合は逆に免疫機能が低下することに繋がってしまいます。なので適度な運動強度で行うことが大事になってきます。
その適度というのが「ややきつい」と感じる運動強度です。
「運動と免疫機能に関するJカーブ」という有名な図があります。参考までに。
(その記事については過去に富士フィルム生協の生協だよりに記事を書いています👇)
【”ややきつい”と感じる運動の継続で免疫が高まる】
きついと感じる以上のトレーニングをやった直後は免疫を下げてしまう可能性がありますが、ややきついと感じる強度でトレーニングを正しく継続して行えば、免疫を上げることができます。
例えば、ウォーキングなら”ややきつい”と感じる速度で速歩を行う。
ジョギングであれば、”ややきつい”と感じる速度で走る。ということです。
なので、ジョギングを行うこと自体が”きつい以上”の運動強度に感じてしまう人は無理してやらないことです。
もしくはインターバルジョギングといって、歩く→ジョグ→歩く→ジョグの繰り返しで徐々に走れる距離や時間を上げていくと効果的に心肺機能を高めていくことができます。
【免疫機能には自然免疫と獲得免疫がある】
免疫には、自然免疫(全体の20%)と獲得免疫(全体の80%)があります。
自然免疫とは、もともと先天的に備わっている免疫で、免疫細胞が病原体をいち早く認識して攻撃することで病原菌を排除するシステムです。
獲得免疫は、一度侵入した病原体を学習し、いち早く対処してくれるため、一度かかった病気にはかかりにくくなるというシステムです。
加齢の影響を受けるのが自然免疫と言われ、獲得免疫は加齢の影響を受けないため、ワクチン接種などによって病原菌にかかりにくくすることができます。これがコロナワクチンの効果だと言えます。他にも肺炎球菌やインフルエンザなどのワクチンもこの獲得免疫を高めるためです。
加齢の影響を受ける自然免疫だからこそ、高齢者はコロナウィルスにより重症化しやすいということです。
【自然免疫を高めるためには?】
① 栄養バランスの良い食事とは
② 適度な運動
繰り返しになりますが、運動強度が低すぎても免疫を高めることはできず、強度が高すぎる運動は免疫を下げてしまいます。
③ ストレス発散
適度に体を動かしたり、趣味・嗜好・旅行・買い物などによりストレスを発散することも大事ですね。また悩みなどは身近な人に相談するなど、ため込まないことが大切ですね。
④ 質の良い睡眠
日中に軽い運動などを行っておくことで質の良い睡眠がとりやすくなります。また、寝る90分前に入浴をすることで、入眠を促しやすくします。
⑤ 体温を高める
体温は36.5度以上でもっとも健康的で免疫が高い状態と考えられています。体温は1度下がることで免疫力は30%程度低下すると言われています。
【ロコモティブシンドロームとの関係】
実は心肺機能はロコモティブシンドロームとも無関係とは言えないのです。
7つのロコチェックの項目に・・
☑ 15分くらい続けて歩くことができない
というチェック項目があります。
この項目からわかることは、心肺持久力と筋持久力です。
この項目に当てはまる人は、心肺持久力が低く、筋持久力も低下しているということがわかります。
ロコモティブシンドロームの予防には筋力・バランス機能・柔軟性の維持は必要不可欠ですが、心肺機能の維持または向上は移動機能の維持へとつながるため、高い水準を維持していくことがロコモティブシンドロームの予防に繋がることはいうまでもありませんね。
コメント
コメントを投稿